委員長メッセージ

 知覚情報工学分野は学術分野としても今後の発展が期待できると同時に、電子・情報・システム部門(以下、C部門)における会員の潜在的ニーズも十分高い。このような背景を踏まえ、知覚情報工学分野を対象とした技術委員会を設置し、電気学会の特長である研究調査活動の一連のプロセス、すなわち調査専門委員会や協同研究委員会の研究調査活動の研究会・部門大会・全国大会・部門誌等への有機的な連携を実現することで、C部門における知覚情報工学分野の研究調査活動を活性化し、C部門および電気学会の一層の発展を目指して参ります。

委員長

委員長
山口順一(香川大学)

背景

 C部門は、電気学会5部門の中で最も広い学術分野(電子、情報、およびシステム)を対象としており、電子情報通信学会、応用物理学会、情報処理学会、計測自動制御学会など、競合する学協会も多い。過去5年間における部門誌の掲載論文数(レター数を含む)は、年平均約300件で5部門中1位であるが、研究会論文数および技術報告書数は、いずれも5部門中4位である。このことは、C部門における様々な研究調査活動(調査専門委員会・協同研究委員会・研究会・部門大会・部門誌など)が必ずしも有機的に連携していないことを示している。
 C部門誌の論文およびレターの内、電子分野の占める割合は35%、システム・制御分野が37%、情報分野28%であり、一方、技術委員会構成の現状は、電子分野5、システム・制御分野3、情報分野3である。C部門における潜在的なニーズの観点から見れば、システム・制御分野と情報分野の技術委員会の拡充が必要である。既にシステム・制御分野の再編拡充は平成22年1月に実施されており、引き続き、C部門としては、情報分野の技術委員会の再編を積極的に検討することとなっていた。
 情報分野の中でも、C部門においては知覚情報工学に関わる分野の活動が非常に活発である。例えば、過去5年間のC部門誌の論文およびレターの内、知覚情報工学に関する論文・レターは全体の17%を占めており、C部門誌の論文数としてはシステム分野に次いで2番目である。さらに、平成21年および平成22年C部門大会においても、一般セッションの中では知覚情報工学に関する論文が最多である。これらのことは、C部門における知覚情報工学に関わる分野における活動やニーズの高さを示すものであり、当該分野の活動の受け皿となる技術委員会の新設は、C部門として時宜を得た対応である。
 以上のことを踏まえれば、速やかに技術委員会の再編を実施し、C部門における知覚情報工学に関する技術委員会を新設し、電気学会の特長である研究調査活動(調査専門委員会や協同研究委員会の研究調査活動)の諸活動(研究会・部門大会・全国大会・部門誌等)への有機的な連携を実現することが、C部門のさらなる発展のための喫緊の課題となっている。


調査検討事項

 5つの知覚情報(視覚情報、聴覚情報、触覚情報、嗅覚情報、味覚情報)とその関連情報に関わる理論・技法およびこれらの実システムへの応用を中心とした知覚情報工学に関する研究調査活動を行う。なお、知覚情報工学が学際分野であることを踏まえ、会員比率に制限がある調査専門委員会のみならず、協同研究委員会をも積極的に設置することで、時宜を得た機動的かつ学際的な研究調査活動を実現する。
 本技術委員会が対象とする主な研究調査分野は、以下の通りである。

視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚、力覚、滑り覚、ニオイ、画像、音声、音、光、センサ、信号処理、モデリング、シミュレーション、センシング、コンピュータビジョン、パターン認識、学習、ヒューマンインタフェース、ハイブリッド、フュージョン、及びこれらの応用。


予想される効果

 時宜を得た調査専門委員会および協同研究委員会を設置し、当該分野の研究調査活動を行い、研究調査活動の成果を研究会・部門大会・全国大会・部門誌等へ有機的に連携することで、C部門の更なる活性化が期待できる。
 具体的には、研究調査活動を通じて得られた知覚情報工学に関する最新の研究・調査成果を、(1) 研究会、全国大会およびC部門大会での企画セッションやシンポジウムセッション等を通じて公表する、(2) C部門誌や共通英文誌の一般論文・特集論文として公表する、(3) 技術報告書や単行本として公表する、などを通じて、C部門における知覚情報技術分野の更なる活性化の実現と新たな学術分野の構築、さらにはC部門の継続的発展に寄与する。


設置期間

平成24年(2012年)1月~


活動予定

 委員会 4回/年
 幹事会 2回程度/年
 研究会 4回程度/年
 見学会 1回/年